櫻ホームロイヤーズ司法書士・社労士のブログで「訴えてやる!」は脅迫か?とのテーマがありましたので、反対側からの論点を記載してみます。
たまたま、ネットで行政書士の内容証明作成での文例からの話題ですが、「あなたを刑事告訴する」という内容の文例があったそうです。
確かに、刑事告訴と記載したとなると、相当に内容としても威圧的に受け取られる可能性があります。しかし、明らかに受け取った相手方を畏怖させるものですから、こうした記載の仕方は適切でない可能性が高いと思われます。
もちろん、内容が親告罪なりであり、捜査機関の関与を求める性質であるなら問題は生じないと思いますが、その目的や性質などによっては、脅迫罪に該当する可能性が高くなりますので、内容証明などその記載には十分な注意が要ります!
行政書士資格者でもある立場からあえて申し上げれば、行政書士は行政官公署への書類の作成が業です。よく、運転免許試験場の近くで申請書作成代行 という看板を出している所を見かけると思いますが、あれも行政書士事務所です。警察への車庫証明は行政書士が代理出来ます。しかし、刑事告発や刑事告訴とは法律事務であり、行政書士の扱う事務とは言えません。
そもそも紛争性が高く、法律事務にかかわるような分野は行政書士が関与出来ないものです。また、内容証明を行政書士が代理人で出す事も本来出来ないはずのものです。
加えて、内容証明はその効果からも、十分な専門的な知識が肝要ですから、もし相談される際にはたとえ士業であっても、その委任先の選択を誤らないようぜひご注意をお勧めします! 内容証明はまさに諸刃の刃にもなり得るものですから。
「他人を畏怖させる意思で、畏怖させるおそれのある害悪の通知をすれば、たとえ害悪の発生を望まず、またその他人に畏怖心を生じさせなかったとしても、脅迫罪が成立する」(大判大6年11月12日・刑録23-119)